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  このサイトでご覧いただくのは、当研究所所蔵漢籍から選んだ版本です。井井書屋が明治36年に印行した『舊鈔巻子金澤文庫本春秋經傳集解三十巻』を画像化し、若干の書き込みを施しています。
  そして、この書き込みですが、上野賢知『左氏會溯源』から選んでいます。
  上野賢知は明治17年、栃木県上都賀郡に生まれました。広島高等師範卒業の後、同校教諭、新潟県女子師範学校教諭を経て大東文化学院に入学、武蔵高等学校教授、無窮會東洋文化研究所(東京都新宿区西大久保)の講師を勤め、昭和34年に没しています。この間漢学を勢力的に研究しました。
  『左氏會溯源』は、上記の『舊鈔巻子金澤文庫本春秋經傳集解三十巻』におびただしい書き入れを施したもので、無窮會東洋文化研究所に所蔵されています。
  『舊鈔巻子金澤文庫本春秋經傳集解三十巻』は、版を組み直したものが『漢文大系』(冨山房、明治42年 <1909年>〜大正5年<1916年>。増補版昭和59年<1984年>)全22冊中の第11・12冊として刊行され、竹添光鴻(井井、進一郎)『左氏會箋』として世に普及しました。ですから、この冨山房本をご存じの方も多いことと思います。
  この『左氏會箋』は、中国の歴代注釋だけでなく、多くの江戸時代の『左傳』注釋を引用しています。そのことは、この本の序に示されています(次をクリック0004)。しかし、それら諸氏の名前が『會箋』の注釋自体には示されなかったため、後学には、それらを別に調べる必要が生じていました。
  上野賢知は、この『會箋』引用の江戸時代注釋を具体的に調べ、それを書き入れた『左氏會溯源』を作り上げたのです。『左氏會溯源』は、江戸時代の『左傳』注釋以外にも、中国歴代注釋や誤植などに関する膨大な書き入れを施していますが、当サイトでは、江戸時代の『左傳』注釋に絞ってご覧いただくことにしました。


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