ある講座でうけた冗談です。
A:お久しぶりですね。
B:お久しぶりです。おうわさうかがってますよ。
A:例の、あのことですか。
B:ええ、そうなんです。寝ますよね。
A:ええ、寝ますよね。先生もですか。
B:ええ。3分ですね。
A:そう、3分ですね。
B:それを越えると寝ますよね。
A:ええ。ところで、私、このごろ腕を上げましてね。
B:ほう。腕を。
A:ええ。・・・・・・・・・・・・・5分もつようになったんですよ。
B:それは、すごい上達ですね。
A:暦の原理は、退屈な話になっちゃいますね。
B:原理よりも、結果の方が興味あるんですかね。
A:そうですね。暦、それを使った占いですか。
B:そうですね。私なんかも、占い、きらいじゃありませんから、その気持ちはよくわかりますね。
A:占い、おもしろいですよね。
B:ええ、そのとおりです。
A:暦は昔から高度なものだったと、思いたくなりそうですね。
B:そうですね。
A:でも、新城新藏や飯島忠夫といった学者が常識を作ってしまいましたが、計算せずに天象に合わせる暦(觀象受時の暦。皇帝が授ける「授時」でなく、天から受ける「受時」ですけどね)が、戦国中期に計算をほどこす暦になった、ということも、信じたくなくなりますかね。
B:そういう向きもあるかもしれませんね。
A:天文学者の作った常識、くつがえせないですよね。
B:そうおっしゃる先生は、くつがえされたじゃないですか。
A:常識、つまり戦国中期から計算をほどこす暦が始まった、という点は、同じですよ。常識の中の修正ですね。
B:そういえば、そうですね。常識をより強固にされた、ということですか。
A:ええ、自分ではそのつもりなんです。
B:どこを修正されたんですか。
A:それを説明しようとすると、寝てしまう、ということですよ。
B:つらいお立場ですね。私も時代はちがいますが、同じように説明しようとして、寝られるということのくりかえしですね。
A:同じ悩みをもつ者どうし、ということですね。
B:ええ、そうですね。
A:それじゃ、夜もおそいことですし。この辺で。
B:おやすみなさい。